20240913

神宮外苑再開発事業認可取り消し訴訟:よくある質問と回

Q1/神宮外苑は明治神宮の私有地ではないのか。今回の再開発計画に外部の人があれこれ口を出すのはおかしい

A1/神宮外苑とその施設や緑は、法律で定められた公益性の高い都市計画公園として、市民の誰にでも開かれた公共財であり、決して一部の事業者や利害関係者たちだけで自由にしてよいものではありません。歴史的にはもともと国有地で、創建時の無償貸与や戦後の払い下げの際には、公共性の維持と民主的運営の条件が付いており、これを明治神宮は遵守すべきです。また計画地には、文科省の独立行政法人の所有地も含まれており、公益性があります。内苑の維持費捻出を理由に外苑の再開発計画を正当化する声もありますが、公共財の維持管理方法は本来広く議論して決められるべき事柄です。明治神宮の財政状況等の開示とともに、他の手段を選択しない正当な理由についての説明と議論が必要です。

Q2/東京都はこの計画に関係ないのに、なぜ都を相手に提訴しているのか

A2/この再開発計画立案の段階から、東京都は計画を主導する形で関わっています。また、東京都は計画に対して認可の権限があり、認可するからこそ計画は進められます。都は本計画の実質的な主体の一つであり、小池都知事の言う「民間事業なので東京都はこの計画に関係ない」は全くもって誤りです。

Q3/なぜ再開発計画に反対するのか

A3/私たちは再開発すること自体に反対しているわけではありません。現行の計画案にはあまりに問題が多いので、いったん立ち止まって再検討をするべきだと言っています。パリのイコモス本部からも、この計画内容に対する重大な懸念が出されています。そもそも今回の計画の進め方や制度利用には、制度の趣旨の捻じ曲げや、手続きの回避などがあり、私たちは道義的問題のみならず違法性もあると見ています。実際、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会は、今回の計画の経緯が「人権に悪影響を及ぼす可能性がある」とする報告書を公表しました。

Q4/どのような人が計画反対を言っているのか

A4/近隣住民も含む、神宮外苑を愛する人たちによる全市民的な異議申し立てです。リベラル系と保守系の双方から今回の計画に反対する声が出ており、この両者の意見が一致しているという点では非常に稀なケースと言えます。

 

 


20230515

《多くの画像などで神宮外苑再開発が良く分かるサイト》

【再開発の見直しを!】私たちの大切な神宮外苑の美しい景観を守りたい! 神宮外苑の未来を考える有志 GAI-EN FUTURE

https://rescuex.jp/project/40446

(サイト内の画像の幾つかを下記にアップしました)

20230228

神宮外苑再開発とは?

 神宮再開発再開発の事業主は三井不動産、明治神宮、伊藤忠商事、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)の4者である。これまで事業者が発表している計画は、神宮球場とラグビー場の位置を入れ替えて各々建替え。野球場の上にはホテルが載って高さ60mとなる。ラグビー場は屋根付きとなり、高さ55(PFI事業者計画では45)。伊藤忠ビルは同じ場所で現在の90mから190mに建て替え。西側のエリアに複合棟と称してホテルやオフィスビルが入る185mと80mの超高層ビルが2棟建つ。野球場が計画されている場所にあった明治神宮テニスコートの移転先として、現在軟式野球場となっている絵画館前広場が改変され、高さ15mの屋内練習場もそこに建設される。

 

【計画の問題点】

今回の計画の問題は、①明治神宮の創建の趣旨のすり替え、②都市計画公園である神宮外苑内に巨大な建築物は建てられないがそれを手続き上可能にした都市計画変更、③ラグビー場と野球場の施設の継続性のためと説明されている2つの施設の位置入れ替えに妥当性があるのか、④神宮外苑の創設時からの庭園計画と樹木を軽視した計画、⑤都市計画変更などが十分住民に周知されていなかった等である。

 

【この間の主な経緯:年はいずれも令和】

3729日 事業者が東京都に対して、「環境影響評価書案」を提出。

3816日 東京都が「環境影響評価書案」を公示。

3820日 東京都が環境影響評価審議会に対して「環境影響評価書案」を諮問。

3820日、同月21日 事業者が「環境影響評価書案」にかかる説明会を実施。

3816日~929日 東京都が「環境影響評価書案」に対する意見書を受け付。

3106日 東京都が「都市計画原案」の説明会を実施。

31214日 東京都が「都市計画案」の説明会を実施。

31214日~1228日 被告東京都は、「都市計画案」対する意見書を受け付けた。

429日 「都市計画審議会総会」が開催された。

4218日~816日「環境影響評価審議会第一部会(1回目)~(6回目)」が開催される。

4310日 都知事が「都市計画」を決定し公示。

4415日 「環境影響評価書案及び見解書」に係る都民の意見を聴く会を実施。

4818日 「環境影響評価審議会総会」が開催され開催環境影響評価書案に対する答申(案)が出されたが、(評価書としては不十分であり評価書確定まで)審議会として今後も関与していくとの異例の決定がなされた。

41226日 「環境影響評価審議会総会」が開催され開催環境影響評価書(素案)の確認がなされた。

⑮4年12月27日 事業者が、都市再開発法の事業認可申請を関係区を通じて都へ提出。

5120日 東京都が「環境影響評価書」を公示。

5130日 事業者から環境影響評価条例に基づく「着工届」が公示される。

5130日 「環境影響評価審議会総会」が開催され環境影響評価書及び事後調査計画書の報告を受ける。

5217日 都知事が神宮外苑地区第一種市街地再開発事業の施行を認可した。